申ジエは「最後まで諦めない」。前人未到の日米韓3ツアー制覇なるか (3ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 申ジエに日本ツアーでの賞金女王のタイトルがかかっていることは、韓国メディアも注目している。先月末、ゴルフ専門メディア『jtbc GOLF』では、申ジエのロングインタビューを特別グラビアと併せて、2回に分けて掲載した。

 グラビアを飾っているのは、日本ではあまり見られないスタイリッシュな衣装に身を包んだ申ジエの姿だった。これがまた、様になっている。

 インタビューのタイトルは、「今が一番幸せ」。そのなかで、申ジエは「日本ツアーでゴルフを始めたことで、幸せになれた」と語っている。日本のゴルフファンにとっても、うれしい言葉だろう。

 そこで、「日本ツアーを選択してよかった」と韓国メディアのインタビューで語っていましたね? と本人に話を振ると、申ジエからこんな答えが返ってきた。

「日本に来て、本当に学ぶことがたくさんありました。米ツアーにいたときは、すべてが自分中心でした。というのも、ゴルフをすることしか知らなかったんです。

 でも、日本に来てからは、ゴルフも大事ですが、もっと"人として"大事にしなければいけないものがあることを知りました。心の持ち方や、ゴルフや人に対する姿勢。また、いろんな人と出会うことで、尊敬する人たちがたくさんできました。

 ゴルフは好きだし、大事なものだけれども、自分自身がたくさん変わるきっかけを(日本ツアーが)与えてくれました。米ツアー時代を知る人からは、『日本に来て、笑顔が増えたね』って言われることも多くなりましたよ」

 日本に来るまでは、ゴルフのことだけを考えて、世界の頂点に立つことだけが使命だった。韓国ツアー、米ツアー時代は、まさしく"勝利至上主義"に凝り固まっていた。

 それが日本に来て、ゴルフが人生のすべてではないことを知った。申ジエが「今が一番幸せ」と言ったのは、そういう意味だ。

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