【木村和久連載】タイガー効果は?ツアープロとゴルフ雑誌の関係性 (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 2007年、史上最年少でツアー優勝。それから賞金王にも輝いて、一時は広告収入"日本一"というフィーバーぶりでした。が、そこまではよかったんですが、アメリカのPGAツアーに参戦するようになってから、調子を崩して現在に至っております。

 その結果、日本のゴルフ界では今、スーパースター不在の状態が続いています。

 こうした状況を踏まえて、最近のゴルフ雑誌におけるツアープロの扱われ方を見てみると、以下のような感じになっています。

(1)表紙
 ゴルフ雑誌の"顔"とも言える存在で、大概はスター選手の写真やイラストが誌面を飾っています。最近ではイ・ボミ選手が絶好調の頃、彼女を表紙にすると、何割か売り上げがアップした、という雑誌もあったそうです。

 そう考えますと、スター不在の"谷間"に復活したのが、タイガー・ウッズです。今後しばらくは、日本で活躍する選手に変わって、タイガーが表紙を飾る機会が多くなりそうですね。

(2)レッスン記事
 ゴルフ雑誌の主要コンテンツに、人気プロのレッスン記事があります。これは、おおよそトーナメントの練習日やプロアマの合間などに、取材するケースがほとんどです。

 プロにしてみれば、トーナメントの賞金に比べて格段に安い出演料となりますが、これもファンサービスということで、好意的に受けてくれます。

 ただ、選手によっては、出来、不出来の差が激しく、必ず人気プロが読者の共感を得るとは限りません。

 つまり、トーナメントプロはレッスンプロじゃないので、誰もが"教え上手"というわけではないのです。しかも、勢いのあるスター選手は、高度なことを言ってしまいがち。そういうスター選手は、レッスンよりも、その人物像に迫ったテーマで取り上げたほうがいいかも、です。

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