試行錯誤しながら日本で奮闘中。美人プロ、セキ・ユウティンの挑戦 (3ページ目)

  • 吉田洋一郎●文 text by Yoshida Hiroichiro

 実際、セキもそうだった。昨季後半は、それまでに築いてきたレッドベター流(※世界のトッププロが認める王道の理論)のスイングとは真逆のスイングを提唱するコーチと、スイング改造に取り組んだ結果、彼女の中の情報量がパンク。混乱に陥った彼女は、長所であるショットの正確性を失って、レギュラーツアーでも、QTでも、思いどおりのプレーができなくなっていた。

 それから、およそ1年。セキは一旦、"新たなチャレンジ"を封印していた。今回のマンシングウェアレディース東海クラシックでの好成績は、もともと指導を受けてきた、上海でティーチングを行なっているマイケル・ディッキーのもとでの調整がうまくいった結果だという。

 ショットに関しては、基本的なアドレスや方向性のチェックを行なって、パッティングは右手のグリップをクロウグリップ(※右手をグリップに添えるイメージ)に変更した。それらが功を奏し、とりわけパッティングは、初日が27パット、2日目が26パットという成果を出した。

 セキが語る。

「昨年末、同郷のフォン・シャンシャン(29歳/中国)とともにフロリダに渡って、彼女のコーチを務めるゲーリー・ギルクリストの指導を受けたことが刺激になった」

 米女子ツアーでも活躍する世界ランク9位(※10月8日現在)のフォン・シャンシャンと、一緒にトレーニングを行なったセキ。世界トップレベルのメンタリティーや技術を間近で見て、肌で感じたことは貴重な経験になったに違いない。加えて、ディッキーと同じレッドベター理論を踏襲するギルクリストの指導がプラスに作用したのだろう。

昨年末はフロリダのギルクリストアカデミーで練習を重ねた。photo by Yoshida Hiroichiro昨年末はフロリダのギルクリストアカデミーで練習を重ねた。photo by Yoshida Hiroichiro

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