2018.10.03

懐疑的だった無名コーチの登用。
それでもタイガー・ウッズは復活した

  • 吉田洋一郎●文 text by Yoshida Hiroichiro
  • photo by Getty Images

 そして、ウッズは体に無理がなく、全盛期を超える飛距離の出るスイングを手に入れた。コモとは昨年の12月に契約を解消したが、スイングの土台となる部分は変わっていない。この契約解消は、ウッズがおよそ4年間、コモからバイオメカニクスを学んで、それが修了した”卒業”の意味合いが大きいのではないか。

 私は約2年にわたって、現地でウッズのスイングと球筋を実際に確認させてもらってきたが、ウッズとコモによる、終始一貫した合理的なスイングの構築――その過程を目の当たりにして、ウッズの復活を確信していた。

体に負担のかからないスイングを手に入れて復活を果たしたタイガー・ウッズ 事実、見事に復活を果たしたウッズであるが、彼のようにすれば、誰にでも同様の結果がもたらされるわけではない。もしも、ウッズと同じように復活を期すプレーヤーがいるなら、まずはウッズのスイングを真似るのではなく、ウッズのスイング構築のプロセスを真似るべきだろう。

 今回のウッズの復活によって、改めてわかったことは、コーチ選びに大事なことは、名声や実績ではない、ということだ。

 もちろん、実績を残しているコーチはいいコーチである確率が高い。だからといって、ある選手、あるいはあなたにとって、必要な知識や気づきを与えてくれるコーチかどうかはわからない。

 重要なことは、コーチが与えてくれる知識やパフォーマンスによって、自らのスキルが高められるかどうか。それには何より、自らが最適な人材を見分け、採用することが成功のカギとなる。

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