タイガー・ウッズが歴史的復活。スタッツが示す勝因は意外とコンサバ (4ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 もうひとつの勝因は、パッティングだ。

 ウッズは、7月のクイッケンローンズ・ナショナルからマレット型のパターを使用。また、プレーオフ2戦目のデルテクノロジーズ選手権ではピン型のパターを使用して、それぞれ好感触を得ていた。しかし、プレーオフ3戦目のBMW選手権では、メジャー13勝を挙げ、長年使用してきた『スコッティ・キャメロン』に戻した。

 この変遷を見ると、試行錯誤を経て元に戻っているため、一概にパターのおかげ、とは言えないかもしれないが、ツアー選手権では使い慣れたパターで、パットを決めた距離が大会3位という好記録を残した。3日目には23パットで収めるなど、パッティングの貢献度も4日間トータルで大会2位だった。

 ウッズは今季、「ショットは、トップの戦いができている。あとは、グリーン上で決められれば......」と、何度も嘆いていたが、やっと「思った転がりで打てた」と、勝負どころのパットをことごとく沈めて、勝利を呼び込んだのだ。

 実はもうひとつ、勝因があった。

 それは、バンカーからのセーブ率だ。ツアー選手権では、4日間でバンカーに計9回入れているが、そのうち7回はパー以上をセーブ。これは、大会3位の記録だった。

 聞けば、ウッズは大会前、キャディーのジョー・ラカバに「特に調整しておくべきことは何だろう?」と問いかけたという。すると、ラカバは「バンカーショット」と答えたそうだ。

 6位でフィニッシュしたBMW選手権では、セーブ率が25%。「バンカーから(のショットで)セーブができていたら、タイガーは勝てる試合だった」とラカバは言う。

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