アンカーリング禁止から2年、パター変更に泣いた面々が復活し出した (2ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 ブラドリーがブレイクしたのは、2011年。ルーキーシーズンのことだ。5月にバイロン・ネルソン選手権でツアー初勝利を挙げると、8月にはメジャー最終戦の全米プロ選手権をも制覇。ツアールーキーにして、メジャー優勝を飾る快挙を遂げた。

 だが、この勝利は米ゴルフ界にとって衝撃的な出来事でもあった。というのも、ブラドリーが長尺パターを使用していたからだ。

 そうした選手がメジャーチャンピオンになるのは初めてのことだった。それまでは長きにわたって、「長尺パターではメジャーで勝てない」というのが、ゴルフ界の通説となっていたのだ。

 ゆえに、それ以前は長尺パターや、体の一部を支点とするアンカーリングの使用が大きく取り沙汰されることはなかったが、このブラドリーの勝利をきっかけにして風向きが変わり始める。なぜか、長尺パターやアンカーリングを使用する選手が、次々にメジャー制覇を成し遂げていったからだ。

 2012年、ウェブ・シンプソン(アメリカ)が全米オープンを制し、同年の全英オープンではアーニー・エルス(南アフリカ)が長尺パターを使用して優勝した。

 その結果、その秋にはR&A(英国ゴルフ協会)とUSGA(全米ゴルフ協会)が、"アンカーリング禁止"について話し合うようになるが、さらにその後、2013年にはアダム・スコット(オーストラリア)がマスターズを制してメジャー初優勝を果たす。

 ブラドリーが全米プロを勝ってから、メジャー6大会中、4人が長尺パターやアンカーリングを使用して頂点に立った。そうして、ついに"アンカーリング禁止"が決定。2016年1月より、そのルールが施行された。

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