辞めたいくらいどん底を味わった堀琴音。環境チェンジを吉とできるか (3ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 それからしばらしくて、原江里菜から森守洋コーチを紹介された。これが、ひとつの転機となった。森コーチからスイング指導を受けて、ショットの安定感が増した。そこから、徐々に成績が上向いてきた。

「(森コーチから)特に教えられたのは、ダウンブローで打って、ターフを取る練習をすること。クラブの動きを大きくして、フォローまでのローテーションをしっかり意識するようにしました。違和感があれば、その場で修正できるようになったのも大きいですね」

 浮上のきっかけをつかむことができたのは、何より「どん底から抜け出したい」という強い思いがあったからだ。さらにそのために、現状に甘えることなく、新たな環境に飛び込む勇気があったからだろう。

 ところで、苦悩の日々を過ごしてきた彼女のことを、一番近くで見ていた姉の堀奈津佳(26歳)は、どんな思いでその姿を見つめていたのだろうか。

 ちなみに、彼女も2013年にツアー2勝を飾って以降、苦しい状況が続いている。現在も限られた出場試合のなかで、なんとか浮上のきっかけをつかもうともがいている。それでも、久しぶりに話をした彼女の声は明るかった。

「今季は妹も前半戦から調子がよくなくて、そのときはゴルフのこともちょくちょく話をしたりしましたけど、私も成績がよくないので......。(話をしていても)だから、どうなんだっていう感じだったんですけど......。

 コーチのもとを離れることは、妹が自分で決めました。私にも特に相談はなかったですね。姉妹といっても、プロゴルファーとしては別の存在。妹が決めたことであれば、私から何か言うことは特にありません。

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