辞めたいくらいどん底を味わった堀琴音。環境チェンジを吉とできるか (2ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 開幕戦のダイキンオーキッドレディスは、左手首痛のために欠場。ツアー3戦目のTポイントレディスから復帰してスタートダッシュを狙ったが、あえなく予選落ちを喫した。続くアクサレディス in MIYAZAKIでも予選落ちすると、ヤマハレディースオープン葛城では体調不良で途中棄権した。

「練習をしすぎて、ショットでも痛みが出ていた」という左手首の痛みが影響して、スイングのリズムが乱れた。その結果、ショットが大きく曲がり始めると、何もかもがかみ合わなくなってしまった。

 そうして、スタジオアリス女子オープンこそ、予選を通過して53位タイに入ったが、その後のKTT杯バンテリンレディスからは、17試合連続予選落ち(うち1試合は棄権)という最悪の状況に陥った。

「『ゴルフをやめたい』と思ったこともありますが、やっぱりゴルフが好きだったんです」

 ツアー本格参戦を果たした2015年から、常に安定した成績を残して賞金シードを獲得してきた。ツアー初優勝が待望されるとともに、ツアーの"顔"として、毎年脚光を浴びてきた若手有望株である。その分、予選落ちの日々はどれほど苦しかったことか。「ゴルフをやめたい」と思うのも当然のことかもしれない。

 だが、まだ伸び盛りの22歳。現役をやめるわけにはいかない――そこで、彼女は大きな決断をした。それは、慣れ親しんだ現在の環境を変えることだった。そして、自らの甘えを断つため、これまでずっと指導を受けてきた中島敏雅コーチのもとを離れることにした。

 それは、堀にとって「自分のゴルフ人生の中で、もっとも大きな決断でした。今まで"自分で決断する"ということも、したことがなかったので」と言うほど、大きな出来事であり、思い切った"決断"だった。

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