【木村和久連載】不祥事続きのアマスポ界。根源は大学スポーツにある (5ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 これじゃあ、選手も「自分はセレブなのか」と勘違いしますよね。

 すでに全国区の知名度があるのに、スポーツばっかりの生活を送っているから、世の中のモラルやルール、法律などをあまり知らない。そこで、海外遠征なんかしたときには、思わずハメを外して、買春なんかしちゃって、騒動になるのです。

(5)スポーツ関連会社への就職。実業団、プロ、指導員、体育の先生など、道が無限に広がっていく
 日本の大学の理科系はすこぶる優秀ですが、文科系の文学部、経済学部、法学部あたりの没落は激しいです。今どき、ケインズ経済学を学んだり、六法全書を読んだりして、それが役に立っている学生が何人いますか?

 司法試験や公認会計士を狙う人たちは別ですが、通常は適当にレポートを書いて卒業する学生ばかりです。あとは、遊びサークルに入って、女子大生と青春の1ページを刻むぐらいですか。

 だったら、勉強しなくても、打たれ強くて「即戦力になる」と、運動部出身の学生のほうが、企業側に重宝されるのも頷けます。

 そんなわけで、大学解体論や不要論が囁かれて、もう何十年も経ちますが、ここに来てまた、大学の存在については、大きな転機に差しかかっているような気がします。

 少子化で大学生の数が減少するのは、むしろ結構だと思います。セグメントして、少数精鋭化し、学ぶ者は大いに勉強し、スポーツに専念する者は人格形成を踏まえてトレーニングに勤しむ。

 何にしても、人生は1回しかないので、有意義な大学生活を送っていただきたいものですね。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

『ヘボの流儀~叩いても楽しいゴルフの極意』好評発売中
詳細はこちら>

◆最新クラブにしたら、タイムマシン効果でゴルフが面白くなる>>

◆勝みなみ、畑岡奈紗だけじゃない。「黄金世代」が強いわけ>>

5 / 5

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る