【木村和久連載】不祥事続きのアマスポ界。根源は大学スポーツにある (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

(3)多額のお金が動く
 ウチの田舎の県立高校ですら、OBに対して「運動部に寄付をしろ」と振込み用紙が届きます。トータルすると、その金額は相当なものだと思いますよ。

 これがメジャーな大学の運動部だったら、かなりのお金が注ぎ込まれているのではないでしょうか。

 加えて、オリンピックの強化選手となれば、ご存知のとおり、数百万円単位で助成金がもらえます。しかもそれは、選手個人に対してですからね。

 とにかく、活動費、環境整備費などの名目で、大学の運動部、それもメジャーであればあるほど、そこでは計り知れないお金が動いているんじゃないですか。もはや、それは"スポーツビジネス"です。

(4)プロアマ混在時代で、スター気取りの勘違いへ
 1964年東京オリンピックの日本代表選手には、重量挙げの三宅義信選手、マラソンの円谷幸吉選手など、自衛隊出身者がたくさんいました。

 当時は、大学生の恋愛とスポーツを描いた、映画『若大将シリーズ』全盛の時代ですが、大学キャンパスでは、学生運動をするか、ノンポリ学生となって遊ぶかしか、選択肢がなかったのです。

 スポーツで活躍するなんて、映画の中の加山雄三以外は無理な話で、大学スポーツで注目されるなんて、せいぜい東京六大学の野球とか、限られていましたね。

 それが今や、オリンピック選手には大学生がズラリといます。本番で活躍すれば、報奨金がもらえ、CMにも出られて、テレビのバラエティ番組のゲスト出演なども可能でしょう。そうなればもう、完全にお金持ちのスターです。

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