【木村和久連載】不祥事続きのアマスポ界。根源は大学スポーツにある (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 大学の運動部はご存知のように、プロを目指すアスリート集団から、お遊び程度のサークルまで、玉石混交です。それだけレベルが違っていても、"大学スポーツ"とひとくくりにされるのも、なんだかなぁ~って思いますがね。

 ちなみに、日本で、クラブスポーツ出身でメジャーになった選手と言えば、サッカーの香川真司選手が有名ですよね。

 兵庫県出身の香川選手は、小学校卒業後に宮城県仙台市の『FCみやぎバルセロナ』にサッカー留学します。仙台市の公立中学校に通ったあと、高校は県立の黒川高校の土木科に入学。高校時代、授業中は寝ていたという都市伝説が残っていますから、学科はどこでもよかったのでしょう(※高校2年生のときにJリーグのセレッソ大阪入り。通信制のウィザス高校に転校)。

 適当(?)に高校を選んだものだから、家と学校とクラブチームへの行き来に、毎日自転車に1時間以上乗ることになって、「これが、一番鍛えられた」ってコメントが残っています。そこかぁ~。

 とまあ、香川選手は稀(まれ)な例で、最近はJリーグ各クラブの下部組織に所属して、そこからプロ入りする選手が多いです。それでも、高校サッカーで活躍して名前を売るほうが、まだまだ一般的な感じがしますよね。

 さて、話を戻して"大学スポーツ"の特徴を、つらつらと挙げていきたいと思います。

(1)大学であまり勉強しない
 そもそも大学には"スポーツ特待生"なるものがあり、入学試験を受けずに推薦で入学するケースもあって、どれだけ学力があるかは甚だ疑問です。

 それに、日本の大学の場合、先輩に傾向と対策を教わって難なくテストをクリアできたり、レポート提出だけで単位をもらえたりする場合が多く、卒業するのも楽です。

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