【木村和久連載】ゴルフ界にも欲しい「ランディ・ジョンソン先生」 (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 ランディ・ジョンソンはその選手の投球フォームを見て、「軸足の重心をかかと寄りから、センター寄りにしたほうがいいよ」と軽くアドバイス。そうしたら、本当にその選手の制球が安定し出したから、びっくりです。

 番組ですから、オイシイ部分を編集しているのでしょうが、それにしても初対面の子どもに的確なアドバイスができるなんて、こういう素晴らしい人、ゴルフ界にもいませんかね。

 というわけで、長い前振りとなりましたが、ここからはそれを受けて、日本のゴルフレッスンについてどうあるべきか、いろいろと述べていきたいと思います。

 旧来のゴルフレッスンというのは理論先行で、たとえば「世界一のコーチ」と言われるデビッド・レッド・ベターのボディターンとか、ノーコックとか、詳しいことはよくわかりませんが、そういう流行りの理論を教える、というのが主流でした。

 個人的には、後藤修先生という「ドローボールの神様」と言われた方に、雑誌の企画で5年間教わったのですが、さほどうまくなりませんでした。まあ、プロに教える先生なので、レベルも、理想も高くて、アマチュアにはついていけなかったみたいです。

 だいたい、こっちが「シャンクが出て、困っています」と言えば、「ひたすら打てば、治るから」というようなことを言って、まともに取り合ってくれませんでした。結局、後藤先生のレッスン企画が終わって、1~2年かけて自分なりにその教えを解釈してから、ようやく成長し始めました。

 それからすると、ランディ・ジョンソンのレッスンの即効性は"神の領域"です。しかも、中学生の目線まで降りて語ってくれますから、すこぶるありがたいです。

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