2018.08.09

【木村和久連載】猛暑襲来。
ゴルフの五輪会場は埼玉のままでいいの?

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

(1)IOCの読みの甘さ
 気象庁の統計によると、ここ100年の間に東京の平均気温は3.2度上昇しているそうです。そりゃ、暑いですわな。

 昔の東京のイメージで夏開催を決めたのなら、それは無謀というものです。ここ数年の夏は、軒並み35度越えの猛暑日が続いていますからね。このままいけば、2020年も猛暑になる確率が高いです。

 東京オリンピックの夏開催に関しては、外国人の東京の夏に対する読みの甘さ、すなわちIOCの認識の甘さが出たのではないでしょうか。

 日本の夏、特に都会の35度越えは、数字以上の不快指数となります。それは、コンクリートの照り返しや、大量に走る車の排気ガス、無数にあるビルのエアコンの室外機風などによるものです。今や、多くの外国人が東京の高温多湿の夏に参っています。

 メルセデス・ベンツの日本向けのエアコン設定は、もはや”熱帯仕様”だという都市伝説があります。何十年か前までは”温帯仕様”だったのですが、いつしか「クーラーが効かない」というクレームが殺到。そこで、メーカーが調べてみると、日本のアスファルトの路面温度がものすごく高いうえ、渋滞が激しいことに気づいて、”熱帯仕様”のエアコンに変えた、と噂されています。

 おかげで、今や世界の車の試作車の最終テストは、東京で行なわれていると聞いたことがあります。なぜなら、外気温50度というアスファルト道路において、それも激しい渋滞のなかで故障しないで走れれば、世界のどこでも走れるから、ということです。

 IOCおよびJOCにはもう一度、”熱帯”の、過酷度マックスの状況下でオリンピックを行なうということを、認識し直してほしいですね。