【木村和久連載】ショートコースの現状と、その未来を考えてみる (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 地元の方でも、多いのはシニア層です。近所のゴルフ好きなオジさんたちやご夫婦が、レクリエーションと練習を兼ねて、ショートコースにやって来ます。

 年配の方は飛距離が衰えてきていて、18ホールあるコースだと、みんなから置いてきぼりにされて、つまらなく感じるのです。むしろ、ショートコースのほうが得意のアプローチを発揮できて、楽しいのだそうです。そうやって、いそいそとショートコースに通う人がたくさんいます。

 ショートコースの営業は、地元の常連で成り立っているのは仕方がないのですが、そこだけの"ローカルルール"なるものが発生しています。

 以前、ゴルフ雑誌の企画で、20ほどのショートコースをラウンドしたのですが、その半分以上で行なわれていたのが、2回打ちのルールです。どうせ前の組が詰まっているんだからと、2回打ってしまうんですね。

 あるコースでは、3回打っていた人がいました。それは余りにもひどいと思って注意したのですが、逆に「みんな、やっているんだ」と開き直って言い返されてしまいました。

 コース側としても、「2回打ち禁止」と張り紙をして注意をうながしているのですが、だからといって、取締りをしているようには見えません。建前は禁止だけど、本当に禁止にすると、お客さんが来なくなる――そう危惧しているのでしょう。

 関東郊外の、さらに人里離れたところになると、今度はショートコースの、とある1ホールに居座って、日がな一日、アプローチに専念しているお客さんがいたりします。これには、もう笑うしかありません。

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