全英オープン勝者を輩出したのは12カ国。日本が加わる日はいつ来るのか (2ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 ところで、第1回大会が1860年に開催され、150年以上の歴史を持つ全英オープンだが、歴代チャンピオンを輩出した国々は、今回のイタリアで12カ国目となる。

 最多は、地元イギリス(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)で39人。次いでアメリカが30人と、この2カ国が圧倒的な強さを誇る。

 その他、複数の優勝者を出しているのは、オーストラリアと南アフリカだけで、いずれも4人。あとは、アルゼンチン、フランス、ニュージーランド、アイルランド、スペイン、スウェーデン、ジンバブエ、そしてイタリアから1人ずつの勝者が出ている。

 これらのなかでも、1人しか優勝者を出していない国で記憶に残る選手といえば、スペインのセベ・バレステロスだろうか。スペイン唯一の勝者ながら、3度も全英オープンを制しているのだ。

 初勝利を挙げたのは、1979年のロイヤルリザム&セントアンズ(イングランド)での戦い。当時22歳のバレステロスは、攻撃的なプレーで世界のファンを魅了。スペインの"新星"として、初のメジャー制覇を果たした。

 その際、忘れられないのが最終日の16番、駐車場から放った1打だ。

 ほとんどの選手がアイアンでティーショットを打つ同ホールにおいて、バレステロスはドライバーを握って果敢に攻めたが、そのティーショットを大きく曲げて右の駐車場に打ち込んでしまった。

 しかし、バレステロスは落ち着いていた。そこからグリーンをとらえるショットを放って、なんとバーディーを奪取。2位に3打差をつける勝利の"伝説の1打"となった。

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