松山英樹とどちらが先か。畑岡奈紗、悲願のメジャー制覇はすぐそこにある (4ページ目)

  • 武川玲子●取材・文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Penta Press/AFLO

 昨年は日本にいる妹さんの受験などもあって、畑岡はひとりでツアーを転戦。「ホテルに帰っても、話をする相手もいなくて、ただ苦しかった」と漏らす。日本の母に電話をして、涙したこともあったという。

 その母・博美さんが、今季は食事面もサポート。炊飯器は自ら購入し、それで炊いたご飯がまた、大きな活力となっているようだ。

 さらに、今年は運転免許も取得。アメリカという地で、だんだんとやりたいこともできるようになって、だいぶ不自由さはなくなってきたという。やはり、アメリカの転戦に慣れるには、時間が必要だったのだ。

 全米女子プロ選手権では、最終日に首位との差がどんどん縮まっていくと、「15番のバーディーパットくらいからドキドキしてきた」と、メジャー勝利への重圧も味わった。

 プレーオフの1ホール目、ユ・ソヨン(韓国)が先にバーディーパットを決めた。畑岡は、「これを入れないと負ける」というカラーからの5mのバーディーパットを果敢に狙っていった。ボールは残念ながらカップの右を通り抜けていったが、メジャー勝利はたしかに目前に迫っていた。

「(メジャー勝利は)見えてきた。(今後も)4日間、強い気持ちを持って戦っていきたい」(畑岡)

 1977年の全米女子プロ選手権を制した樋口久子以来、41年ぶりとなる日本勢悲願のメジャー制覇。それが現実になる日が近い――ガッツある畑岡のプレーを見てそう確信した。

 今季は、まだメジャー2戦が残されている。勢いに乗る19歳がそこでチャンスをつかんでもおかしくない。

 まずは、8月2日に開幕する全英リコー女子オープン(8月2日~5日/イングランド、ロイヤルリザム&セントアンズ)の畑岡のプレーに注目である。

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