松山英樹とどちらが先か。畑岡奈紗、悲願のメジャー制覇はすぐそこにある (3ページ目)

  • 武川玲子●取材・文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Penta Press/AFLO

 一方で、平均パット数は昨年が28.71(ツアー5位)、今季が29.32(ツアー26位)と、昨年の成績のほうがいい。

 しかしこれは、昨年はグリーンを外すショットが多かったため。グリーン周りから寄せて、セーブしてきた回数が多かったにすぎないのではないか。パーオン率70%を誇り、バーディーチャンスを多く迎えている今季と昨季とでは、そのプレー内容は明らかに違う。

 ちなみにパッティングについては、(優勝した)ウォルマート NW アーカンソー選手権でキャディーからいいアドバイスがあったという。

「(キャディーの)デイナが、『テークバックが速く、短くなっている』と言ったんです。それで、ゆっくり、長めな感じでやるようにしたら、(ボールの)転がりもすごくよくなった」(畑岡)

 同大会を含めて、勝負どころで次々に沈めていく畑岡のパッティングは本当に見事だ。

 技術面の向上に関しては、他にもある。キャディーのデイナ・ドリュー氏が語る。

「僕がバッグを担いだ今季だけを見ていても、(畑岡は)ショットの種類が格段に増えている」

 身近で見守っている畑岡の母・博美さんもこう話す。

「(今季の)グリーンを外したときのパーセーブやチップインを見ていて、本当にプロらしくなったな、と」

 そして、畑岡の精神面の成長は、技術面以上だ。

 今季の畑岡は、ずっと充実した表情を見せている。その最大の要因は、母・博美さんの存在だ。今季は一緒にツアーを転戦し、各トーナメントに動向。畑岡にとっては、非常に大きな支えとなっている。

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