松山英樹とどちらが先か。畑岡奈紗、悲願のメジャー制覇はすぐそこにある (2ページ目)

  • 武川玲子●取材・文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Penta Press/AFLO

 躍進著しい19歳。技術面と精神面、その両面で大きな成長を見せているが、まずは技術面から見てみたい。

 第一に、飛距離。昨季はツアー85位だった平均飛距離(251.12ヤード)が、今季は263.05ヤードでツアー26位(7月2日時点。以下同)。12ヤードも伸びている。

 ただし、これはスイングプレーンが乱れていた昨年が悪すぎた、というのが実際のところ。そんな昨年の轍を踏まないためか、今季はスイングチェックを頻繁に行なっている。

 3月末の起亜クラシックから翌週のメジャー初戦、ANAインスピレーションのときには、日本ナショナルチーム時代から畑岡を見守り、現在もコーチを務めるガレス・ジョーンズ氏(日本ナショナルチーム・ヘッドコーチ)が米国入り。同氏の指導とスイングチェックを受けた。

 また、畑岡がジュニア時代に鍛えられた『トミー・アカデミー』の主宰である中嶋常幸プロがマスターズの観戦に訪れた際には、同地を訪問。中嶋氏の宿舎の庭でアドバイスを仰いだ。

 その結果、4月のロッテ選手権では最終日最終組でのプレーを経験。さらに、4月末のメディヒール選手権で米ツアー初のトップ10入り(7位タイ)を果たすと、5月のキングズミル選手権では優勝争い演じてプレーオフに進出した(結果は2位)。

 アイアンショットの精度も格段に進歩している。

 とりわけ目覚しい数字を残しているのは、パーオン率。今季は70.56%(ツアー37位)で、昨年の60.66%(ツアー152位)から10%近くも向上しているのだ。

 5月のキングズミル選手権、6月のメイヤークラシックと、2カ月で2度達成したホールインワンも、決して偶然の結果ではないだろう。

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