【木村和久連載】「片山騒動」で注目集まる、プロアマ攻防戦100年史 (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 それはそれとして、以降プロトーナメントがどんどん増えていくのですが、ゴルフ場ってアマチュアが運営するカントリー倶楽部のものでしょ。だから、ツアー側は借りたコースに礼を尽くさないといけないわけです。

"片山騒動"の試合会場は、森ビルグループが持つ宍戸ヒルズカントリークラブ。しかも、冠名が「森ビルカップ」。会場も、スポンサーも一緒です。そのスポンサーが招待したアマチュアをないがしろにするのは、やはりちょっといただけませんよね。

(2)プロを偉くさせたのは、ジャンボ尾崎選手
 戦後の高度経済成長とともに、日本のプロトーナメントは増加し、その最大のスターがジャンボ尾崎(将司)選手でした。

 プロ野球の"王&長嶋"並みのスター選手でしたが、ジャンボ選手は愛想が悪かった。本人は照れ屋で、喋りたがらない性格というのもあるのですが、そんなジャンボ選手の振る舞いが、日本の男子プロのスタンダードになってしまったのです。

 その遺伝子が"ミニ・ジャンボ化"して、現在も中堅男子プロの中にそういう選手が数名、存在しています。片山選手もジャンボを知る世代だから、その振る舞いを見て育ったのでしょう。

 もちろん、ジャンボさんみたいに100勝していたらいいですよ。それだけの実績を残しているのだから、仕方がありません。成績も中途半端で、振る舞いだけが"ジャンボ並み"。それが、一番いけないのではないでしょうか。

(3)強い人が威張る風潮をなんとかしないと
 以前、株の雑誌で億万長者の方のインタビューをしたことがあります。その方は当時50億円持っていたのですが、驚いたのは、その人がインタビュアーである私に対して、「ところで、(自分と)一緒に話をするあなたは、いったい何億円を持ってるの?」って聞いてきたことです。

 トレーダーの世界では"いくらお金を持っているか"が、絶対的な価値なんですな。それには、笑えましたね。

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