優勝1オーバー。全米オープン「厳しすぎるセッティング」は是か非か (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 そうなると、さすがは世界のトッププロが集まる大会である。トミー・フリートウッド(イングランド)が、大会最少スコア記録に並ぶ「63」をマーク。松山も3日目の「79」から一転、「66」の好スコアをマークしてその力を遺憾なく発揮した。

 グリーンにも水がまかれて易しくなっていた。それでも、風でどんどん乾いてスピードは次第に増していったため、早めにスタートした選手が有利であったことは否めない。

 そうは言っても、天候ばかりはどうしようもない。すべてに公平なセッティングなどないのがゴルフ、そう納得するしかない。

 ついでながら、昨年の舞台となったエリンヒルズGCは、コース内にたった6本しか木がなかった。風が吹けば超難コースになり得るため、大会前は「優勝スコアはイーブンでは」と予想されていた。

 ところが、週の初めに大雨に見舞われて、コース全体が軟らかくなり、グリーンもボールが止まりやすかった。想定されていた"肝心の"強風も最終日まで吹くことはなく、おかげで、ロングヒッターが俄然有利という結果になった。つまり、このロースコアも天候の成し得た結果だったと言える。

 メジャー18勝、全米オープンでも4勝しているジャック・ニクラウス(アメリカ)は言う。

「新しくできた近代コース、昨年のエリンヒルズGCや、2015年のチェンバーズベイGC (ワシントン州) はユニークな舞台だったが、本来の全米オープンの姿とはやや違った、と感じている。私は保守的なのかもしれないが、歴史ある難コースでプレーするのが、全米オープンならではだ。そこで好スコアがマークされても、それはそれで存分に"全米オープンらしい"戦いだと思う」

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