【木村和久連載】元首相・田中角栄
生誕100年に想う、我がゴルフ人生

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 話がちょっと飛んでしまいましたが、田中角栄氏のゴルフについて、もう少々。

 軽井沢ゴルフ倶楽部好きの田中角栄氏ですが、他に好んだコースには、小金井カントリー倶楽部があります。ここでは、ジャック・ニクラウスと一緒にラウンドしています。

 あと、霞ヶ関カンツリー倶楽部、箱根カントリー倶楽部などを好んで、首相を辞めてからのほうが、ラウンド数も増えたんだとか。

 非常にせっかちな早打ち、早歩きのゴルフで、早々に上がってくるから、2ラウンドすることもザラにあったそうです。田中角栄氏のゴルフは、まさに中高年の健康法――そう捉えていたようです。

 一方、中曽根康弘氏と言えば、神奈川の超名門コース、スリーハンドレッドクラブの創設に関わった人として有名です。茅ヶ崎市にあるスリーハンドレッドクラブは、メンバーがわずか300人ほどで、文字どおり、東急グループのエクスクルーシブな会員制倶楽部です。

 そもそもは東急グループの2代目、五島昇氏が計画を立てて造ったゴルフ場です。そして戦後、中曽根康弘氏が復員して、青年懇話会という勉強会を開いたとき、そのメンバーに五島氏もいて、じゃあ懇話会のサロンとして、スリーハンドレッドクラブを活用しよう、となった次第だそうです。

 以降、自民党の歴代首相や幹部に愛され、岸信介元首相も愛用していたとか。そのため、もしアメリカのアイゼンハワー大統領が来日してゴルフをすることになったら、スリーハンドレッドクラブでラウンドしたかも、という話が都市伝説として残っています。

 同クラブは、もちろん現在の総理大臣・安倍晋三氏も大好きで、首相就任以来、10回以上はラウンドしています。ちなみに、安倍首相は元メンバーで、今は会員権を売ったらしいですが。

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