最後にバーディーがドバドバッ。松山英樹は地獄のコースで何を得たか (2ページ目)

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

「(2日目の)昨日より、グリーンのスピードがかなり上がっていたので、それに対応できなかった。ミスパット(した意識が)が1回もなく、4パットするのは、たぶん、初めてだと思う。

 9番も(バーディー)チャンスだったんですけど、(8番の4パットが)頭の中に残ってしまって、打てなかった。それを払拭しようと思って、16番はしっかり打ったんですけど、(8番と)同じようなミスをしてしまった。今日はしんどいですね」

 そして、こう続けた。

「明日はバーディーを取りたい」

 決勝ラウンドは好天に恵まれ、ギャラリーには心地よいぐらいの涼しい風が吹いていた。しかし、強風が吹けばグリーンは乾き、硬くなり、ボールのスピードは増す。午前スタートと午後スタートでは、コースがまるで別な顔を見せ、グリーンの難易度がまるで違う。

 好天も、シネコックヒルズに挑むゴルファーには"荒天"となるのである。

 すべての選手に平等な条件などないゴルフというスポーツの特性と言えばそれまでだが、最終日、午前9時27分スタートだった松山には有利に働いた。3番から4連続バーディーを奪うなど、6バーディー、2ボギーの「66」。最後に4つスコアを伸ばして、4日間の戦いを締めくくった。

「(スコアが伸ばせたのは)スタートが早かったからだと思います。グリーンは(前日までと違って)柔らかくなっていましたが、スピードはあまり変わっていなかった。

 ただ(午前スタートでグリーンが)きれいだったので、昨日みたいにカピカピじゃない分、きれいに転がってくれました。(午前組と午後組で条件が大きく異なることから、他の選手からは不満の声も挙がるが?)選手は与えられた条件でやるしかない」

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る