メジャー制覇の夢を語らぬ松山英樹。沈黙が示す全米オープンへの想い (3ページ目)

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 2月に発症した左手親指の付け根部分の痛みは消えた。全米オープンは初出場だった2013年大会も10位タイフィニッシュ。毎年、開催コースが異なるとはいえ、験(げん)のいい大会でもある。

 さらにフェアウェーとグリーンが広く、距離が長いシネコックヒルズの特徴も、松山には合っているような気がしてならない。

「どういうコースが自分に向いているかは知らない。そう思われるなら、それでいい。(優勝スコアは)見えていません。(警戒すべきホールは)全ホールです。チャンスホールは何カ所かありますけど、それも風によって大きく印象が変わる」

 昨年は全米オープンの2位に続き、全米プロ選手権でも最終日に一時首位に立ちながら、優勝を逃し、涙した(最終結果は5位タイ)。6度目の全米オープン開幕直前に、メジャー制覇の夢をまるで口にしない松山にこそ、それに賭ける強い想いが感じられたのだった。

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