「隠れ美女ゴルファー」ジョン・ジェウン、別人のように好成績な秘密 (2ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 そもそも彼女は、アマチュア時代に韓国代表として2006年のアジア大会に出場。団体戦で金メダルを獲得し、将来を嘱望された逸材のひとりだったが、2008年にプロに転向して以降、なかなか結果を出すことができなかった。

 2013年にはシード権を失って、2014年には下部ツアーでの戦いを強いられた。その下部ツアーで賞金女王となったものの、これまでトップツアーでの優勝は一度もなく、表舞台で脚光を浴びることは皆無に等しかった。おかげで、日本ツアー本格参戦となった際も、大きく取り沙汰されることはなかった。

 しかし今季、その不遇の時代から脱しつつある。

 何より、彼女の様子がこれまでとは明らかに違う。調子のよさは表情にも出ていて、発する言葉も生き生きとしている。自然と笑顔になるのは、精神的にも安定している証拠だろう。

「今の成績がいい、というよりは、一昨年と昨年があまりにも悪かったから、そう見えるだけですよ(笑)」

 ジョン・ジェウンはそう言って笑った。それでも、シードを獲得できなかった一昨年や昨年との違いは確かにあるようだ。

「昨年までと明らかに違うのは、精神的な部分です。私は成績がいいと、自らに一層のプレッシャーをかけてしまうんです。『ここで、もっとがんばらなきゃいけない』とか、『絶対にミスしたらいけない』って。それが、かえって自分を追い込んでしまっていることに気づいたんです」

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る