【木村和久連載】大谷のMLBと松山のPGAツアー、興奮するのは? (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 というわけで、日本で人気のアメリカのメジャースポーツ、MLBとPGAツアーの見どころを検証しつつ、日本の国内ツアーの現状などにも迫ってみたいと思います。

(1)スターあっての観客動員
 MLBとPGAツアー、どっちがすごいか? という比較をする前に、ちょっとMLBの観客動員数を見てみましょう。

 やはり、重要なことはスター選手がいること。シーズン序盤、大谷選手が活躍しているエンゼルスの観客動員数は、アメリカンリーグ1位でした。昨年は7位だったのですが、"大谷効果"恐るべしです。

 もちろん、試合の勝ち負けは大事ですが、おそらくエンゼルスは球団の経営的にはすでに黒字。大谷選手のおかげでボロ儲け状態です。

(2)感情移入できる選手がいるかどうか
 スター選手であれば、かつて活躍したスターであっても、昔のよしみなのか、全盛時の幻を追うのか、同じ時代を戦ってきた(生きてきた)"同志"という意味もあって、多くの人が応援します。今なら、中日ドラゴンズの松坂大輔投手なんか、そのいい例でしょう。

 メジャーであれだけ活躍した選手なのに、日本に帰ってきてからは、泣かず飛ばず。もはや引退か? という矢先に復活の1勝。これが、日本での12年ぶりの勝利って、松坂世代のオジさんたちは、涙腺崩壊ですよ。

 同様に、PGAツアーを見るゴルフファンにとってたまらないのは、タイガーの復活でしょう。

 先日、日本ツアーの日本プロ選手権においても、50歳の谷口徹選手が優勝。ゴルフでは、パワーが多少衰えても、巧みな技術で補えます。

 そんな谷口選手の姿を見るにつけ、タイガーの復活優勝も時間の問題――そう思って、PGAツアーを見ているファンは多いと思います。ゴルフはシニアツアーもありますし、まだまだ大いに楽しめます。

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