【木村和久連載】酒とタバコとニギリ。日本のゴルフ文化のルーツに迫る (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 そうして、1960年代あたりから、ゴルフのテレビ中継が始まり、テレビ映えするコースが考案されるようになりました。

 例えば、ロバート・トレント・ジョーンズは、ロングホールに池を絡ませるコースを考案。そういうコースで、凄腕の飛ばし屋が2オンさせて、ギャラリーは大喜び。視聴率のアップにもつながりました。

 凄腕のプレーヤーの先駆けは、アーノルド・パーマーです。池越えの2オンを最初にやってのけて、多くのファンの心をつかみました。

 あと、アメリカンな部分で言うと、セルフプレー、安い料金、会員権システムの崩壊などじゃないですかね。

 そんなわけで、英米から影響を受けた日本のゴルフ文化は、どのようにして花開いたのでしょうか。

 まず、とりわけ独特なのは"風呂場"があることです。本来ならシャワールームでいいのですが、ほぼどこのゴルフ場にも大浴場があります。

 これ、なんでかなぁ? と考えたのですが、シャワーを浴びる習慣が日本になかったからじゃないでしょうか。シャワー設備を作って脱衣所をこさえるなら、ついでに湯船を設置してもいいか、と。せっかく裸になるなら、お風呂に入りたいですしね。

 もともと、雲仙や川奈、箱根など、最初から温泉地や保養地にコースがあって、「じゃあ、温泉だよ」と思ったのかもしれません。

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