不仲説から戦友へ。ウッズと
ミケルソンが明かす、それぞれへの思い

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 そのあと、だっただろうか。僕が一度復帰して、だけど、チップショットですごく苦労していたときがあった。その際、僕は極めて神経質になっていて、腰の影響でうまくチップを打てないことに悩んでいた。

 ちょうどその頃、フィルから携帯電話にメッセージが送られてきたんだ。それは、僕のチップショットへの技術的なアドバイスだった」

 ウッズに対して、ミケルソンは「いつでも助けになる」とオファーをくれたという。

「僕たちふたりは、ゴルフへの取り組み方がまったく同じだった。あのときのフィルの言葉は......、本当にありがたかった。そして今、僕はいい感触を取り戻すことができた。しかも、またこのツアーのトップレベルで戦えている、そう感じている」

 ウッズは感慨深げにそう語った。

 翻(ひるがえ)って、ミケルソンも「僕が最もタイガーの恩恵を受けている」と話す。その理由について、自らの前にウッズが常に立ちはだかっていたからこそ、「自分の技術が磨かれてきた」とミケルソンは言う。

「タイガーがゴルフ界で成し遂げてきたことは、本当に尊敬している。15年前の、僕とタイガーの記録や成績を比べると、ひどい差があった。でも、今のふたりを比べてみると、僕の記録や成績もそんなに悪くはないだろ? タイガーに追いつくために、僕は少しずついい選手に成長していった――今はそんなふうに感じているんだ。

 そして、最近の僕たちふたりは、すごくいいプレーをしている。だから(同組となった)予選ラウンドで、ともにいいプレーができれば、きっと週末も上位で一緒にプレーができるだろう。そんな1週間になれば、最高だ」

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