イ・ボミを襲う「負のスパイラル」。
苦しむ女王に何が起きているのか

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 新しいことにチャレンジしたり、環境を変えたりして、結果を残したいと思うのは当然のこと。ただし、それが実を結ぶかどうかは、すぐに答えは出ない。今はまだ様子見の段階にある。

 その現状について、イ・ボミはこう語る。

「現在は、昨年から崩れてきたスイングをしっかりと修正しているところなのですが、もっとシンプルに考えないといけないと思っています。これまでの感覚を取り戻すためにさまざまな努力をしているのですが、その際にいろいろなことが気になってしまうんですね。それを、少しずつ減らしていかないといけないな、と。コースの中でもいろいろと考えてしまうので、それがスコアにも、ショットにも影響している、ということは確かにありますから」

 ショットがブレたり、スコアが悪かったりすれば、あれこれ考えてしまうものだ。イ・ボミは今、まさにその状態にあって、ショットの際に"迷い"が生じてしまっているという。「シンプルに考えなければ......」と頭ではわかっていても、それをうまく消化できずにいる。

 ゴルフにおいて、とりわけスイングについては、毎年寸分も違わずに何年も同じスイングを継続できる選手は皆無に等しい。若いうちは、筋力や体力が前年よりも増すだろうし、逆に年を重ねるようになれば、筋力や体力は徐々に落ちて、スイングのフォームや形は微妙に変わっていくからだ。

 ゆえに、スイングについて悩み、一度"負のスパイラル"に陥ってしまうと、そこから抜け出すのはなかなか難しい。イ・ボミも、そのことは重々承知している。

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