どん底を見た女、比嘉真美子がツアーのトップレベルに復活できたわけ (4ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 取り組む姿勢と環境が変わり、今は"ニュー比嘉"として確実に成長している。ツアー本格参戦1年目の2013年、ツアー2勝を飾って「男は松山(英樹)。女は比嘉」と並び称され、"大物ルーキー"としてはやし立てられたのは、もはや過去のことだ。

「『大物ルーキー』って評していただいたときは、もちろんうれしかったですよ。ありきたりな表現よりかは、ずっといいと思っていました(笑)。みなさんが一目置いてくれるから、そういう表現で私のことを世間に伝えてくれていることは、素直にうれしいです。

 ですから、今でもプロゴルファーであるからには、人よりも魅力的な選手だったり、ひと味違うプレースタイルだったり、そういうものをしっかり求めていきたいと思っています」

 話を聞いている合間、時折フーッとため息をついて「そんなこともあったな」といった様子で目を細める比嘉。練習グリーンで、パッティング練習の手を止めると、最後にこんな言葉を残した。

「いい年も、悪い年も、プロデビューしてからの5年間に詰まっています。同様に、これから先もどうなるかわかりません。ただ、先のことをいろいろと考えて、モヤモヤしているのは無駄だなと気づきました(笑)。何か起こったら、そのときに起こったことに対して考えればいいので。

 だから今を一生懸命にがんばっている感じです。今を全力、ですよ。今年は怠けずにがんばれば、(優勝は)できると思います」

 まだ24歳の比嘉だが、ことプロゴルフの世界においては、酸いも甘いも早々に知ってしまったかもしれない。その分、年を重ねた証拠でもあるが、彼女は「そうは思いたくない(笑)」と、すかさず返してきた。

 どん底から這い上がり、一段とスケールアップした「強い比嘉」の完全復活は間近である。

◆鈴木愛、イ・ボミ、上田桃子...ほか「女王」を狙う女子プロ8人の決意>>

◆有村智恵、香妻琴乃、藤田光里...美女ゴルファー9人「私のここを見て」>>

◆堀琴音、永井花奈、三浦桃香ほか「優勝に飢えている」8人の女子プロ>>

【書籍紹介】イ・ボミ「愛される力」好評発売中!

【著者】金明昱
【発行】光文社
【定価】1200円+税

※詳細はこちら>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る