どん底を見た女、比嘉真美子がツアーのトップレベルに復活できたわけ (4ページ目)
取り組む姿勢と環境が変わり、今は"ニュー比嘉"として確実に成長している。ツアー本格参戦1年目の2013年、ツアー2勝を飾って「男は松山(英樹)。女は比嘉」と並び称され、"大物ルーキー"としてはやし立てられたのは、もはや過去のことだ。
「『大物ルーキー』って評していただいたときは、もちろんうれしかったですよ。ありきたりな表現よりかは、ずっといいと思っていました(笑)。みなさんが一目置いてくれるから、そういう表現で私のことを世間に伝えてくれていることは、素直にうれしいです。
ですから、今でもプロゴルファーであるからには、人よりも魅力的な選手だったり、ひと味違うプレースタイルだったり、そういうものをしっかり求めていきたいと思っています」
話を聞いている合間、時折フーッとため息をついて「そんなこともあったな」といった様子で目を細める比嘉。練習グリーンで、パッティング練習の手を止めると、最後にこんな言葉を残した。
「いい年も、悪い年も、プロデビューしてからの5年間に詰まっています。同様に、これから先もどうなるかわかりません。ただ、先のことをいろいろと考えて、モヤモヤしているのは無駄だなと気づきました(笑)。何か起こったら、そのときに起こったことに対して考えればいいので。
だから今を一生懸命にがんばっている感じです。今を全力、ですよ。今年は怠けずにがんばれば、(優勝は)できると思います」
まだ24歳の比嘉だが、ことプロゴルフの世界においては、酸いも甘いも早々に知ってしまったかもしれない。その分、年を重ねた証拠でもあるが、彼女は「そうは思いたくない(笑)」と、すかさず返してきた。
どん底から這い上がり、一段とスケールアップした「強い比嘉」の完全復活は間近である。
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