松山英樹のマスターズは、忍耐の2日間。爆発する瞬間はきっとくる! (2ページ目)

  • 三田村昌鳳●取材・文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 この2日間のスタッツ(データ分析)を見ても、それがわかる。

 例えば、パーオン率は2日間平均で61%。首位のリードが平均67%。フェアウェーキープ率は平均82%。首位のリードは平均79%。そして、バンカーセーブ率が平均82%。首位のリードが平均67%。どれも遜色ない。

 問題は、平均パット数だ。松山の1.67に対して、リードは1.42。大きな違いがある。

 ショットの乱れをカバーするだけのショートゲームのうまさも、松山はきちんと発揮できている。つまり、パットさえもう少し決まれば、十分に首位にも届くスコアになるということである。

 心配事があるとすれば、左手の痛みだけだが、本人は「少し痛みはあったけど、棄権するほどの痛みではない」と言っている。

 この2日間の松山を見ていると、心の中にも、身体にも、相当ストレスが溜まるプレーが続いた。まかり間違えば、ズルズルと崩れてしまうような苦しい流れもあったが、かなり踏ん張って堪(こら)えた。

 初日は1番から13番まで、ずっとパープレーが続いた。ようやくスコアが動いたのが、なんとダブルボギー(14番)という有様だった。

 そんな、選手の心情からすればプッツンしてもおかしくない状況も、松山は耐えて、最後の18番で見事にバーディーを決めて締めくくったのだ。

 2日目も、4バーディー、3ボギー。流れに乗り切れない内容を、辛抱強くまとめあげたゴルフだった。

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