7度目のマスターズに挑む松山英樹。「気づきの邪念」を振り払えるか (2ページ目)

  • 三田村昌鳳●取材・文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 松山のマスターズでのデータを見ると、過去22ラウンドで、パー5のホールでは30アンダー。パー3のホールで10オーバー。パー4のホールで23オーバーとなっている。

 なかでも、パー4では前半の1番(平均4.23)と7番(平均4.32)、後半では18番(平均4.41)、そしてパー3のホールでは6番(平均3.32)が"鬼門"である。

"鬼門"をどれだけクリアし、そのゲームの流れをどう組み立てられるかが、今年のカギになるだろう。

 あとは、"不安"をどう断ち切って挑めるか、だ。

 気づきの邪念――知りすぎるがゆえ、見えすぎるがゆえ、攻めあぐむ。守りに入って消極的なプレーになる、というのが気づきの邪念である。

 先日、NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』という番組で、将棋の「永世七冠」羽生善治棋士がこんなことを語っていた。

「キャリアを積んでいくと、どうしても守りに入っちゃうんですよね。(あらゆる局面が)よく見えるわけですから。そこで、一歩勇気を出して、新しいものに挑戦していくことが大切」

 気づきの邪念を振り払うには、試されている自分の中で、守りばかりではなく、一歩攻めていく挑戦、勇気が必要なのだろう。

 松山にとって今年のマスターズは、十分に優勝を狙えるだけの要素の積み重ねが、これまで以上にできている。

「それを、ここでどう出せるかだと思う」と言った本人の強い思いが、いい結果につながることを願っている。

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