元世界1位マキロイを完全復活させた「パットの名手」の3時間レッスン (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 月曜日、自宅近くのベアクラブで、マキロイはファクソンからレッスンを受けた。当初1時間の予定だったそうだが、レッスンは3時間に及んだ。というのも、レッスンがふたりのパット勝負になったからだ。

 強風が吹く中、ふたりの戦いは途中までファクソンがリード。ファクソンは、「もし今週、キミが勝ったら、そのキミに僕が勝ったことをみんなに伝えろよ」と言って笑ったそうだが、結局、終盤にマキロイが追い上げて、ふたりのパット勝負はマキロイが勝利した。

 その際、マキロイは「僕がベイヒルで勝ったら、『ブラッド・ファクソンにも勝った』と言うよ」とファクソンに宣言したという。すると、それが現実のものとなった。

 マキロイがファクソンから学んだことは、パットの技術だけではなかった。何より大きかったのは、"フィーリング"の伝授である。

「子どもの頃のように、グリーンを感じて打つことができた。たぶん、こんなパッティングができたのは、2014年以来だと思う」

 その2014年、マキロイはツアー4勝。全英オープン、全米プロ選手権と、メジャー大会も2勝している。

 アーノルド・パーマー招待の最終日、最終18番グリーンに立ったマキロイは、最後に7mのバーディーパットを沈めると、両手を大きく掲げて力強いガッツポーズを見せた。1打差に迫っていたブライソン・デシャンボー(アメリカ)を振り切っての、会心の勝利だった。

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