またも最終日の悪夢。R・ファウラーが天国の少年に届けたかったもの (3ページ目)
それは、グリフィンくんという小さな男の子の存在だ。大会中の4日間、ファウラーとキャディーの帽子には彼の写真が貼り付けられていた。
グリフィンくんというのは地元フェニックスに住む少年で、ファウラーの大ファン。毎年オレンジ色のシャツに身を包んで、ファウラーの応援にかけつけていた。
そんな彼とファウラーが出会ったのは5年前。以来、「僕のナンバー1のファンだ」というファウラーと、グリフィンくんとの交流は毎年続いていた。
しかし、生まれつき気道疾患を抱えていたグリフィンくん。何度も手術を受けていたが、完治することはなく、ついに今年の大会直前に帰らぬ人となってしまった。
「グリフィン、君は永遠に僕たちのチームの一員だ」
そうメッセージを寄せた写真を身につけて、今大会を懸命に戦ったファウラー。勝利には届かなかったけれども、グリフィンくんはきっと、ファウラーの戦いを天国から見つめていたことだろう。
「最終日をどう戦うかは、僕にとっては大きな課題。でも、その答えなんて、そう簡単には見つからない。とにかく(勝利への)ドアを叩き続けるしかない」
松山と同様、メジャー勝利に最も近い選手に挙げられるファウラー。誰かのために「勝ちたい」と強く願って戦う彼の思いが届く日は、必ず来るはずだ。
3 / 3