「超変革」を断行したジェイソン・デイ。
世界1位奪還へ、すぐに成果

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 昨年の今頃、デイは世界ランキング1位だった。その後、2月にダスティン・ジョンソン(アメリカ)にその座を奪われると、昨季は未勝利に終わって、今大会までに世界ランキングは14位まで下降していた。

 その要因のひとつは、慢性的に抱えている腰痛。今大会でも、火曜日には復帰戦を迎えるタイガー・ウッズと9ホールの練習ラウンドを消化したが、前日は痛みがあってプロアマ戦を棄権している。

 さらに昨年は、母親のデニングさんの肺がんが発覚。今では手術を受けて回復しているものの、それまでは精神的にもつらい時期を過ごしてきた。

 そうした状況の中で、デイが今年掲げた目標は「世界ランキング1位を奪還すること」だった。今回の勝利は、それを実現するための、大きな第一歩となった。

 そしてもうひとつ、デイにとって大きな出来事が最近あった。スイングコーチであり、長年キャディーを務めていたコリン・スワットオン氏との"別離"である。デイが語る。

「コリンは僕にとって、唯一無二のコーチ。しかしそれが、キャディーとなってコースでも一緒にいると、どうもうまくいかないことが出てきた。こんなショットを打ったら、コーチがどう思うのか、とかね。だから、コリンにはスイングコーチに専念してもらう。これが、一番いい方法だと思った」

 スワットオン氏はデイが12歳のときからのコーチで、プロ転向後はずっとキャディーを務めてきた。いわば、デイは同氏と二人三脚で世界の頂点に立ったわけだ。これまでどおり、スイングコーチとしてチームの一員であることに変わりはないが、その関係は大きく変化することになる。

 それだけに、その決断の成否が今季は問われていた。

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