【木村和久連載】シニアゴルファー「俺も昔は飛んでいた」問題の深層 (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 そういえば、うちの親戚や、70歳を過ぎた漫画家の方も動きが遅くなって、「みんなについていけない」と言っていました。

 ゴルフって、体調不良や故障で引退するケースが多いという話を以前にしましたが(※2017年10月13日配信「終活ブームの今、『人生最後のゴルフ』を考える」)、実は動きが遅くなり、みんなについていけなくなってリタイヤするケースもあるんですね。

 さて、本題の"昔は飛んでいたオヤジ"の昔話自慢のことですが、こんな感じでした。

「残り200ヤード? 昔は4番アイアンでドローボールを打って、軽く(グリーンに)乗ったんだよ」って、言ってきます。

 さらに、ティーショットを打つたびに「ドライバーは250ヤード飛んでいた」とか言って、セカンドでグリーンを狙う際には「7番アイアンなら、160ヤードは飛んだ」などとあらゆる場面で発し、それはもう昔を懐かしむコメントのオンパレードですよ。

 彼のゴルフは、フランス絵画に例えれば"印象派"ですね。ここぞ、という一発を放ったナイスショットばかり覚えているんですな。

 印象派のゴルフだからって、昔の栄光や一番いいときの瞬間を切り取って言われても、それは所詮、過去の自慢でしかないのです。

シニアの方々はみなさん、かつては本当にすごかったと思いますけど...シニアの方々はみなさん、かつては本当にすごかったと思いますけど... じゃあ、飛ばなくなったゴルファーはどんなゴルフをすればいいのか?

 80歳近くになり、まったく飛ばなくなった大御所の漫画家先生と、以前一緒にラウンドしたときの話を紹介しましょう。

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