完全にシードを失った香妻琴乃。下部ツアー参戦でも必死に前を向く... (4ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 まさしく、やる気は十分。あとは、シーズン開幕に合わせて体とスイングを作っていくことが重要になる。

 振り返れば、昨季の香妻はひとつのミスを引きずりすぎてしまい、思うようなゴルフができなかった。終盤戦を迎えた頃、彼女はこう言っていた。

「ミスをすると『なんでだろう、なんでだろう......』って考えてしまうことが多くて......。もっと気楽に、というわけではないのですが、気持ちに余裕がほしいですね。

 別に調子は悪くないのですが、1球ミスが出ただけで考えすぎてしまい、それを修正しようとしすぎることもありました。もう少し自分のスイングがわかってくれば、気持ちも落ち着くのかな、と思います」

 試合中のミスを修正するのは、かなり難しい作業となる。次のプレーへとどんどん進んでいくなかで、ミスをした原因をゆっくり考えたり、修正したりする時間などほとんどないからだ。

 結果、ミスや失敗を引きずってしまうと、次のプレーにも影響が出て、出口が見えなくなってしまうこともある。昨シーズンの香妻はその繰り返しで、一度深い"闇"に落ちると、そこから抜け出せなくなっていた。

 メンタル面が揺らぐと、それが成績に直結する――ゴルフというスポーツの難しさは、そんなところにもある。

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