韓国の元祖美女ゴルファーが「日本に拠点を構えよう...」と思った理由 (4ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 当初はなかなか踏ん切りがつかなかったが、いつしか自らの心が日本ツアーに大きく傾いていることに気づいたユン・チェヨンは、ついに日本ツアーのQTを受ける覚悟を決めた。

「とにかく、韓国でプレーを続けるのが(精神的に)しんどかった。私の心の中では、マンネリを打破したいという気持ちがどんどん膨らんでいったんです。そうして、韓国でやる気が感じられない私の姿を見た父とコーチが見かねて、昨年の日本ツアーのQTに申請を出していたんです」

 最終的には周囲に背中を押されるような形での日本挑戦となったが、自らの気持ちに従って、覚悟を決めての挑戦である。ある意味、閉塞感から解き放たれたユン・チェヨンは強かった。QTの1次から3次まで難なく突破すると、ファイナルでも安定したプレーを見せて5位でフィニッシュ。今季のツアー出場権を手にした。

 実は、ユン・チェヨンは2010年と2011年にも日本ツアーのQTに挑戦している。しかし、いずれも失敗に終わった。日本ツアー挑戦を当初ためらっていたのは、そんな苦い思い出もあったからだ。

 ともあれ、30歳を迎えた今、「このままでは終われない」という気持ちが勝った。

「10年間も韓国でプレーしてきて、30歳で不慣れな場所に行くのは、相当な覚悟と勇気が必要でした。失敗したら、あとがありませんから。日本と韓国の両ツアーを行ったり、来たりすることもできましたが、それを続けていく体力があるかどうかも心配でした。だから、難しい決断でしたが、後ろ髪を引かれる思いで、韓国ツアーを断ち切りました」

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