【木村和久連載】名誉を永遠に。
アマチュアゴルファーに「段位」を!

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 過去に、わけもわからずにハンデを「16」くらいで出して、大きなコンペに臨んだことがあります。そのときは絶好調で、クラブ競技にも出ていて試合慣れしていたこともあって、ぶっちぎりの成績を残しました。ところが、2位に4打差をつけて優勝と思ったら、「初参加者は優勝資格なし」だと。

 世の中、うまくできているんですね。このように、場をわきまえない"暴走ゴルファー"をたしなめるため、初参加には優勝資格を与えないんですから。おかげで、次回参加したときにはハンデをめちゃくちゃ減らされて、それ以降も永久に優勝しないよう、私の存在は封印されてしまいました......。

 大人の世界は汚い! いや失敬、厳しいです。というわけで、最近のハンデキャップの諸事情を少々綴らせていただきたいと思います。

 世の中のスポーツを含めたあらゆる勝負ごとには、すべてランクや段位みたいなものが存在していますよね。けど、そのランクや階級は実に怪しいものです。

 最近の話題で言えば、将棋の加藤一二三九段が、藤井聡太四段のデビュー戦で負けています。

 加藤九段は元名人です。神武以来の天才と言われるぐらい強かったのです。でも、年齢的なこともあり、藤井四段と対戦したときには、九段の実力があったかどうか、甚だ疑問です。

 まあ、そもそも柔道や剣道などの武道、さらに書道や将棋など、日本で「道」を極めるものは、いただいた段位は滅多に下がりません。段位というのは、名誉的な意味合いが強いのでしょうね。

 ゴルフの世界も、プロゴルファーは一度プロになったら、引退するまではずっとプロです。アマチュアに降格した、なんて話は聞きません。

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