【木村和久連載】『みんゴル』で思い出した、巨匠ピート・ダイの秘話 (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 両巨匠とも、なかなか含蓄(がんちく)のあることをいいますなぁ~。

 私が知る限りでは、井上誠一とピート・ダイが直接対面したという記事の記憶はありません。たぶん、世代が違うから、クロスするタイミングがなかったのでしょう。

 でも、ピート・ダイは井上誠一のことをすごく認めていたと言います。

「井上さんのデザインは好きだよ。ゲームの中で一緒に競演できるのは、実に素敵じゃないか」

 インタビューの際に、そんなことを言っていたそうです。

 ピート・ダイは36歳からゴルフ場の設計を始めた"遅咲き"の人で、以前は保険のセールスマンをやっていました。それでもゴルフの腕前はプロ並みで、全米オープンにも出場したことがあるのです。

 設計の原点は、やはりスコットランドのコースなんだとか。何度か訪れて、それを現代風にアレンジしたコース造りをしてきたそうです。

 そういえば、メイプルポイントGCも豪華なスコットランド風?っていうのでしょうか。決して華美ではないものの、淡々としながらも難しいコースです。むしろクラブハウスのほうが派手で、個人的には好きですけどね。

 そんなエピソードも、もう20年も前の話。当時、ピート・ダイはすでに70歳を過ぎて、ほとんど引退していました。今は何をしているのでしょうか。

 実は、なんと91歳でご存命だそうです。長生きのピート・ダイに敬意を表して、彼が設計したコースを一度、ラウンドしてみてはいかがでしょうか。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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