【木村和久連載】ラウンド中の、恥ずかしいトラブルショットあるある (5ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

(5)想定外のアクロバットショット
 過去に自分の打ったドライバーショットが、マイナス50ヤードになる珍体験を2度も経験したことがあります。

 1度目は、ホームコースだった南総カントリークラブ(千葉県)でのことです。ブルーティーからドライバーで打ったボールは、ことのほか低く出て、地を這うような弾道となりました。そのまま地面すれすれで飛んでいき、白のレギュラーティーに当たって、その直後、ボールは綺麗なアーチを描いて後方50ヤードまで戻されていきました。

 そのときは、OBじゃなかったので、マイナス50ヤードから第2打を打ちました......って、なんだんねん。

 それにしても、なんでボールが跳ね返ったのか。2打目を打ったあと、当たった現場に行って見てみると、当時のティーマークはかまぼこみたいに半円形の筒状になっていて、ボールが当たった後方の平らな面を見るや、くっきりとボールの跡が残っていました。トホホ......。

 こんな体験、「何万分の1の確率だから、一生に一度のことだね」と思っていたら、なんとそれから何年か経って、今度は宮崎県のゴルフ場で同じようなショットをして、またマイナス50ヤードに......。ああ、それをスマホで撮っていたら、動画にアップして何百万回も再生されて、巨万の富を得たのに......って、悔しがるのはそこですか。

 そんなわけで、ゴルフはバーディーの思い出よりも、へんてこなミスのほうが印象深いですから、記憶にも残っていてずっと笑えます。ミスは人生を豊かにしますよぉ~、って、ほんまかいな。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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