【木村和久連載】ラウンド中の、恥ずかしいトラブルショットあるある (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 それに懲(こ)りて、キャディーさんが「おそらくセーフ」と言っても、最近は自分で不安を感じる場合は、暫定球を必ず打っておく作戦に切り替えました。あと、現在では「OBの場合、前進4打で前方の黄色ティーから打つ」といった表記が増えて、すごく楽になりました。

 でも、気を抜いていると、ごくたまに昔ながらのOBがあることも。だから、ティーショットを打つときは、必ず「前進4打」表示があるか、確認してから打つことにしています。これが、あるとないとでは、精神的にぜんぜん違ってきます。

(4)空振り
 空振りは、不思議と誰か見ているものです。

 空振りした人は、その瞬間、必ず360度周りを見渡します。それは、この恥ずかしい場面を誰か見ていないか、気になってしょうがないんですね。そして、なかには「よし、誰も見ていないぞ、なかったことにしよう」なんて、姑息(こそく)なことを考える場合があります。

 でも、冷静に考えてみてください。誰も見ていないかもしれない状況で空振りするのって、木の裏側や林の奥、あるいは崖の下などですよね。つまり、トラブルを起こした人が焦って空振りするケースです。

 まあ、おおよそ他の人はその姿を遠くから見ているのですが、空振りなのか、素振りなのか、その判別が難しいです。そういう場合は、「トラブル、ご苦労さん。で、スコアはいくつ?」と聞いて、「8」とか「9」とか言ってきた場合は、言われるままのスコアを書きます。

 そんだけ叩けば十分です。"武士の情け"で、空振りの件は不問にするのが人情かと。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る