2017.10.13

【木村和久連載】終活ブームの今、
「人生最後のゴルフ」を考える

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 ですから、80歳あたりを目安にして『引退コンペ』を先に開催するのはいかがでしょう。昔競った戦友を呼んで、プレー後にはドンチャン騒ぎをするのも素敵です。世代の近い人が何人かいたら、合同でやるのも面白いかもしれません。

『引退コンペ』は、生前葬みたいなもの。85歳になってもまだ現役だったら、また開催すればいいのです。生前葬を2回やった漫画家の先生もいますから。『引退コンペ』なんて何度やったって、みなさん苦笑いしながら参加してくれますよ。誰も「嘘つき」なんて言いませんから。

 引退後のゴルフこそ、本当の意味での余生です。「儲けもの」と思って、楽しみましょう。私も『引退コンペ』まで20年ちょっとです。長いようで短いような気がします。

 だいたい還暦をすぎたあたりから、ゴルフに対する心理状態が変わってきますよね。

 40代ぐらいまでだと、「今年もベストスコアが更新できた」「今年もコンペで優勝できた」「今年もベスグロやドラコンが獲れた」など、いいことが連発します。ところが、50代になると、「今年も80台が出たぁ~」とか「今年も100を叩かずに済んだ」とか、堅実路線が強調されます。

 これが、還暦を過ぎた60代になると、「今年もケガなく、ラウンドできた」「一緒にラウンドする友だちがいてよかった」となり、さらに70代になるや、「あいつもゴルフを引退した」「年々、遊び友だちが減る」「今年もコンペに誘われて幸せだった」と、しんみり......。