【木村和久連載】終活ブームの今、「人生最後のゴルフ」を考える (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 そこで、夫婦共通の趣味と言えば、ゴルフ。「じゃあ、格安のロッジに泊まって、名物のすきやきを食べて、1ラウンドして帰ろう」となるのです。

 国内旅行もいい年齢になると、すでに行った場所が多く、マンネリになります。だったら、月1回の楽しみでゴルフをしたほうが健康的じゃないか、と考えるわけですね。

 そういう状況だと、団塊の世代のゴルフの引退は、よほどのケガや病気をしない限り、80歳以上かと思われます。つまり、団塊の世代のみなさんは、あと10年は現役でがんばるんじゃないですか。そうなると、ゴルフ業界の崩壊危機もだいぶ先送りされそうです。

70歳、80歳になってもゴルフができるなんて幸せですよね70歳、80歳になってもゴルフができるなんて幸せですよね それでは、具体的にどんなケースでゴルフを引退することになるのか?

 軽いケガや病気をして、気づかぬうちにゴルフから遠ざかってしまった。気づいたら、半年前のコンペが最後だった――そんなふうに述懐することになるパターンが一番多いかと思います。

 うちの親戚もそうでした。肘や手首を痛めて、一旦休んでゴルフに行かなくなったのですが、それでも手の痛みはじんわりと続いていたと言います。そうして、「当分、ゴルフはダメだろうな」と思っていたら、自然と引退していたみたいです。

 ゴルフを覚えて30年以上。知らず知らずのうちにやめていた、というのも哀しいですね。

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