もう優勝できないと思った──イ・ボミが初めて味わう苦悩のシーズン (2ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 だが、今年は違う。イ・ボミ自身、これほど"しんどい"シーズンを経験したことはなかったのではないだろうか。

今季は厳しい戦いが続いているイ・ボミ今季は厳しい戦いが続いているイ・ボミ 今季のイ・ボミは、開幕戦のダイキンオーキッドレディスで3位タイになったものの、過去の2年間では一度もなかった予選落ちが8月までに3回もあった。トップ10入りも、17試合を消化した時点でわずかに5回。過去2年とは比べものにならないほど、冴えない成績に終わっていた。

「(イ・ボミに)何があったのか?」と、誰もが心配するのも当然だった。

 こうした状況について、イ・ボミは「日本で7年目のシーズンを迎えましたが、その中でも一番よくないと思います」と語った。

「ここまで(状態が)悪いのは、初めての経験ですね。よかった状態から、いきなりすべてがダメになる感覚。あらゆることにおいて、またイチから始めなければならない、という状況にあることがすごくしんどかったです」

 不調の要因は、自分でもわかっていた。

「全体的な数字を見ると、パーオン率がすごく低くなっています()。これは、スイングの感覚が落ちてしまっていることが原因。今までは、打つときに緊張したり、不安になったりすることはありませんでした。それが今季前半は、スイングのことが気になりすぎて、どうやって打てばいいのかと悩んでしまって、そのことがメンタル面にもすごく影響していました」
※10月9日現在、今季のパーオン率は67・3108(26位)。2016年シーズン=74.4694(1位)、2015年シーズン=74.5880(1位)。

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