「何が怖かったのか...」と石川遼。わずかなミスで失った米国シード権 (2ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 結果として響いたのは、初日に大きくスコアを落とした2ホールだろう。この2ホールのミスは、この1年間、PGAツアーで戦ってきた石川を表す"縮図"だったような気がする。波に乗っていいプレーが続きながらも、どこかでミスが出て結果を残せない姿を、今季は何度も見てきた。

 それは、やはりメンタル面の影響が大きいのではないだろうか。

「もし初日のプラス4とか、ダブルボギーがなかったとしても、優勝(通算24アンダー)には届かなかった。(自分は)技術的に下手になっている。ゴルフ力、総合力が落ちている。それを認めざるを得ない状況なので、それが非常に悔しい」

 石川は、第一に技術面の問題を挙げる。ただ一方で、こう語る。

「自分の技術、実力をなかなか信じることができず、うまくいかなかったときに、それが(自分の)実力だなって思い込んだ部分があった」

 やはり石川は、心の奥底にあるべき"本当の自信"というものが、どこかで崩れてしまっていたのだろう。思えば、米ツアーに参戦したばかりの頃の、はつらつとしたプレーが最近は影を潜めてしまっていた。

 公傷制度の適用を受けて戦った2016-2017シーズンは、20試合に出場してトップ10入りしたのは、初戦のCIMBクラシックの1度だけ。しかも、シーズン中盤となる5月のウェルスファーゴ選手権から、6試合連続で予選落ちしたのは痛かった。

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