【木村和久連載】キャンセルとクローズを巡る、ゴルフ場と客の心理戦 (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 じゃあ極端な話、1番ホールでティーショットを打ったあと、突然すごい腹痛に襲われて、動けなくなったらどうか? それでも、基本的にはプレーフィーは全額請求されるでしょう。まあでも、病気やケガの程度、支配人との親しさなどによって、そこはどうにでもなるのではないでしょうか。

 都市伝説ですが、超わがままな芸能人がいて、朝イチのティーショットを打ったらOBをやらかして、機嫌を悪くしてそのまま帰ってしまった人がいたそうです。無論、料金は全額払いましたけど。

 これには別の説もあって、1回打ったらOBだったので、たった1打でプレー代全額を支払って、もう一度最初からプレーし直した、という話もあります。すなわち、2ラウンド分の料金を払ったという説です。いずれにせよ、豪快な人ですよね。

 一方、コース側の事情でプレー続行が不可能になったときは、プレーフィーは全額戻ります。ただ、ハーフを終えていたら、戻ってくる金額は半分になることが多いです。どちらにせよ、この場合の多くは悪天候によるクローズです。雪や大雨といった場合でしょうか。

 じゃあ、雷でクローズとなるか? アメリカのPGAツアーなどを見てもわかるように、雷は一過性で終わることが多く、案外小1時間ほどで再開されるケースが多いです。

 この小1時間は、コース側にとってはむしろオイシイ時間です。ほとんどのパーティーがクラブハウスに戻ってきて、宴会をし始めるからです。つまり、レストランの売り上げが半端なくアップするわけです。コース側にとっては、雷さまさまですね。

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