丸山茂樹のように、プレジデンツ杯で「新たなスター」は誕生するか (2ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 実際、丸山の活躍は見事なものだった。

 初日は、午前のフォアサムでクレイグ・パリー(オーストラリア)と組んで、米国選抜のリー・ジャンセン&スコット・ホーク組に3アンド2で快勝。午後のフォアボールでは、尾崎直道とのペアで、マーク・カルカベッキア&ジョン・ヒューストン組を4アンド3で下した。

 圧巻だったのは、2日目だ。再びパリーと組んだ午前のフォアサムで、タイガー・ウッズ&フレッド・カプルス組と対戦。土壇場の17番でイーブンに追いつくと、18番でパリーがチップインを決めて、米国選抜の"エースペア"を1アップで振り切った。

 その勢いは尾崎と組んだ午後のフォアボールでも止まらなかった。フィル・ミケルソン&デビッド・デュバル組という難敵を、丸山が終盤に3連続バーディーを決めて3アンド2で撃破した。

 最終日のシングルス戦も、ジョン・ヒューストンを相手に3アンド2で手堅く勝利。世界選抜の勝利の立役者となって、その瞬間、丸山茂樹の名は世界中に知れ渡った。

 ちなみに、1大会で全勝して5ポイントを記録したのは、大会史上5人だけ。米国選抜のタイガー・ウッズ、マーク・オメーラ、ジム・フューリック、世界選抜のブランデン・グレース(南アフリカ)と丸山である。

 当時、米国選抜のキャプテンを務めていたジャック・ニクラウスは、敗戦の悔しさにあふれながらも、快進撃を見せた丸山を大いに称えた。

「プレジデンツカップのような大会は、ときに新人のスター選手を生み出すことがある。シゲキ・マルヤマのプレーは本当に素晴らしかった。これから、彼の名前は何度も見て、耳にすることになるだろう」

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