32歳で現役を終えた宮里藍。男女で異なるプロゴルファーの引退事情 (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 往年の名プレーヤーたちも、引退するのは本当に遅かった。昨年他界したアーノルド・パーマー(アメリカ)の、最後の競技試合は77歳のとき。2006年のことだ。

2006年に引退したアーノルド・パーマー(右)2006年に引退したアーノルド・パーマー(右) 最後の一戦は、テキサス州で行なわれたPGAチャンピオンズの試合だった。そのとき、パーマーは満身創痍だった。体のあちこちに痛みを抱えていて、最後のラウンドでは途中でもうボールが打てなくなっていた。それでも、彼はプレーをやめなかった。

 実は、すでに彼は試合を途中棄権していた。ボールを打てなくなっていた頃にはスコアもつけていなかった。だが、「たとえエキシビションとしても、(ファンの前では)最後までプレーを続けたかった」とパーマー。なんとも"キング"らしい、紳士的な終わり方だった。

 ジャック・ニクラウス(アメリカ)の最後の戦いは、65歳のとき。2005年、セントアンドリュース・オールドコースで行なわれた全英オープンだった。予選敗退が決まった2日目、最終18番でティーショットを打ったあと、ニクラウスが"スウェルカンブリッジ"で手を振る姿には、コースを取り囲むファンや関係者から10分間にも及ぶスタンディングオベーションが送られた。

 一方、28歳の若さで競技ゴルフから引退したのは、球聖ボビー・ジョーンズ(アメリカ)だ。1930年、全米オープン、全英オープン、そして全米アマ、全英アマと、当時のメジャー4大会を同一年に制して"年間グランドスラム"を達成。ゴルフ界の頂点に立つも、生涯アマチュアのまま、あっという間に表舞台から去ってしまった。

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