宮里藍がアメリカ最終戦で今季最高。「奇跡のラスト優勝」も見えてきた (3ページ目)

  • 武川玲子●取材・文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

 そうして2010年、宮里は米女子ツアーでは44年ぶりとなる開幕2試合連続優勝を飾った。そこから、正確なショットと、技術の高いアプローチ、パットで世界ランキング1位まで上り詰めた。

 まさにその絶頂期を示したのが、ポートラントで開催されたセーフウェイクラシックだった。そして翌年、ディフェンディングチャンピオンとして、大会の数カ月前に行なわれる『メディアデー』に参加した。

 実はそのとき、おりしも大会のタイトルスポンサーである大手スーパーマーケットの『セーフウェイ』との契約が切れる直前だった。大会を運営するTGF(トーナメント・ゴルフ・ファウンデーション)は地元の企業を募り、どうにか大会の存続を模索している時期でもあった。

 このことが、ポートランドと宮里との絆をより深めることとなった。

「今まで知らなかった試合の裏側を知って、すごく勉強することができた。この試合は、地域の人がたくさんサポートをしてくれていて、本当に温かい大会。ここで勉強したことは、今後の私の人生にも大きく生かされると思う」

 そういう意味では、最後の試合に選んだエビアン選手権(9月14日~17日/フランス)も、宮里にとって本当に忘れ難い大会であり、思い出深い土地だ。2009年、ドライバーのスランプを乗り越えて、米ツアー参戦4年目にやっと手にした初優勝がエビアンマスターズ(当時。2013年からメジャー大会に)だった。

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