【木村和久連載】東京五輪「夏開催」の裏にゴルフでメダルの秘策か? (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 以来、9月以降の秋に開催されたのは、南半球で行なわれたシドニー大会(2000年)を除けばソウル大会(1988年)ぐらい。それ以外はすべて7月から8月という"夏"に開催されています(※南半球となる前回のリオデジャネイロ大会は冬)。

 その理由としては、アメリカのスポーツシーズンとぶつからないように、という措置のようです。クライマックスを迎えるメジャーリーグや、シーズンが開幕するアメリカンフットボールなどの注目ゲームが少ない時期に開催すれば、視聴率のアップが見込め、莫大な放映権料がどこぞの組織に入ってくる、というわけです。 

「はじめに加計ありき」と言われている獣医学部の新設が問題となっていますが、2020年東京オリンピックにおいて「はじめに夏開催ありき」というのが問題視されないのは、何とも不思議でしょうがないです。

 これは、IOC(国際オリンピック委員会)と日本政府が水面下で交渉して、「夏開催で承諾するなら、日本開催で決定するぞ」くらいの裏取引があったのではないかと思っています。あくまでも推測ですが......。

 結局、日本政府としては、日本経済復活の起爆剤にしたいから、どうしても2020年に開催したかった。IOCとしては、夏開催を動かしたくなかった。その思惑というか利害が、単に一致したんだと思いますよ。もちろん、想像ですが......。

 だって、その後はオリンピック候補地に名乗りを挙げる都市が激減、という事実が露呈。その挙句、2024年はパリ、2028年はロサンゼルスと、2大会同時に開催地が事実上決定ってなんやねん。だったら、日本はいつ立候補しても開催できたってことじゃん。

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